「豊後高田の知られざる磨崖仏巡り」で田染荘の磨崖仏をめぐりました!
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梅のつぼみもほころぶ3月17日(土)に、9回目の郷土の文化財探訪バスツアーを開催しました!
今回のテーマは「磨崖仏」。豊後高田市は全国でも屈指の磨崖仏処ですが、意外と熊野磨崖仏以外の磨崖仏には行く機会がないという話をよく聞きます。今回はそうした「知られざる」磨崖仏を巡り、市内の磨崖仏の魅力をもっと知ってもらうというコンセプトで、バスツアーを開催しました(田染地区以外の行程詳細は市HPの記事を参照ください(外部リンク))
田染地区の磨崖仏を探訪!
バスツアーの午前中には大型の磨崖仏が多く残されている田染地区の磨崖仏をめぐりました。
長い石段の上にある「鍋山磨崖仏」は、高さ230センチにもなる不動明王の磨崖仏です。やや像容がはっきりしない部分もありますが、二童子を連れ、天地眼の表現があるなど、伝統的な不動明王の表現をしっかりと踏襲しています。磨崖仏のすぐ下に築かれた鍋山イゼとの位置関係から、水に関する信仰との結び付きも指摘されています。鍋山イゼは田染上野地区に広がる上野条里を広く灌漑していました。
大門坊磨崖仏は、伝乗寺(真木大堂)の末坊・大門坊の跡地につくられた磨崖仏で、室町時代の作とされています。大日如来・薬師如来・毘沙門天などがあり、やや稚拙ですが味わい深いお姿をしています。毘沙門天に踏みつけられた邪鬼の表情は必見です。
元宮磨崖仏は元宮八幡神社の境内に彫られた磨崖仏で、不動明王・毘沙門天・持国天などが彫られています。これらの配置がなされた理由には諸説ありますが、八幡信仰に関係のある神々の本地仏と関係が深いとされています。
造顕の時期は室町時代とされますが、元宮八幡神社の勧請された南北朝時代にまで遡るともされます。
田染荘へお越しの際は、これらの磨崖仏もめぐってみてはいかがでしょうか。